税金が国民に返る国スウェーデンと、官僚が奪い取る国日本

遥か彼方、虹の彼方のようなスウェーデンという国。

ニッポン遠望12
2008年3月30日地方紙掲載  無断転載

淡いグリーンの羽衣のようなオーロラが、刻一刻と姿を変え、北極圏の冬の夜空を幻想的に駆け巡る。スウェーデン最北の都市キルナ。周囲を雪に覆われたアパート五階の一室で、玄関わきの壁に一枚の賞状が誇らしげに飾られていた。
十六世紀前半のスウェーデン独立運動にちなんで、毎年中部モーラで開催される世界最長九十㌔のスキーレース、バサロペットの完走証明書。
「これが一番の思い出かな」二〇〇一年三月の大会。車いすに乗ったスウェーデン国立宇宙空間物理研究所(IRF)の上級研究員、山内正敏(四七)が、好タイムの選手に与えられるメダルを手にしてほほえんだ。
大会から約七カ月後の同年十月下旬。悪寒と下痢が数日続き、運動神経の障害で全身の筋肉が動かなくなるギラン・バレー症候群に襲われた。
救急車で運ばれ、キルナ市内の病院に入院。呼吸困難を伴う重症で転院を繰り返し、三カ月後に人工呼吸器が外れた。一年後に退院したが、当時は寝返りすら打てない状態だった。足や手には依然後遺症がある。
介護付きの自宅療養、通院、通勤、機能回復を目指す運動療法。「仕事をしながら、介護を受け、リハビリもできる。その両立は高福祉国家スウェーデンだからこそ」
日本だったら?
「日本では仕事のための介護はないし、リハビリのための介護も十分につかない。介護者がつく時間はスウェーデンの三分の一程度だと思う」
治療で時間をとられ、パートタイムの労働時間でしか働けない人を正規雇用するシステムも日本にはない。「日本の研究職はフルタイム以上の仕事を要求されるので、結果的に退職に追い込まれるだろうね」

山内にとって、生まれ育った宮崎市での家庭環境は「学者になるべくあるようなものだった」。地元の大学で東洋史を教える父と、短大講師の母。親類も化学や薬学関係の研究者が多かった。
一九八三年、京都大学理学部を卒業。修士課程修了後の八五年、米アラスカ大学地球物理研究所に留学した。同大で理学博士となり、九〇年にキルナに本部を置くIRFに移った。
「日米以外では宇宙研究をどのように行っているか見たかった。欧州の研究機関は基本的に合議制。ライバルをけ落とす競争社会の米国と、対立回避で協調性を重視する日本流との中間にあるので性に合った」。キルナ滞在は十八年になる。
鉄鉱石の産出で知られるキルナは「スペースタウン」と呼ばれる宇宙研究のメッカ。超小型人工衛星や惑星探査用の観測装置の開発などで知られるIRFのほか、郊外にはロケット発射場がある。緯度など位置的にオーロラ観測にも最適だ。
約九十人の科学者が名を連ねるIRF。地球や惑星の高層大気(宇宙プラズマ)を研究する山内は、特に太陽風による影響を調べ、人工衛星や惑星探査機で得られたデータを精査している。

発病から約六年半。退院時には二十四時間付きっきりだった介護者も、今は週八十七時間に限定。内容も身の回りの世話より、リハビリの付きそいに比重が移ってきた。病院でのリハビリは過四日で、歩行訓練や床運動、プール、自転車で機能回復を目指す。自主トレは毎日だ。
「口に棒をくわえて操作していたパソコンのキーボードも、今は両手の動く指を使ってどうにかたたけるようになった」。六八㌔あった体重は最大で二〇㌔落ちたが、徐々に戻ってきた。
自宅でこそ小回りのきく車いすを使っているが、外出はもっぱら歩行器。バンドでひざを保護すれば、松葉づえで坂道を歩くまでに回復した。
「仕事は研究所と自宅で過各十五時間の計三十時間。論文は平均(の科学者)以上に書いているよ」
IRF〝同期入社″の上級研究員ウルバン・ブレンダストローム(四二)は、山内について「ここまで回復した人間を見たことがない。心が折れないんだね。今もすごいおしゃべりだし」と語る。体操療法士のマッツ・フォーシュベリ(四三)は「彼は再起を目指すファイターだ」と評した。
インターネットの自身のウェブサイトで、ビデオ付きのリハビリ記録を詳細に報告している。そこまでするのはなぜか。
「ギラン・バレー症候群と知って、頭脳は大丈夫と安心した。どこまで回復するか知りたいというのは学者の本能。記録を残すのも研究者の義務でしょう」
税収の減少などでスウェーデンの「福祉神話」にもほころびが生じているが、高齢者や障害者を社会的に支援するシステムは揺るがず、個人の幸福を最優先する考え方も国民に浸透している。
入院中、医療費は無料。病欠の場合、国が給与の八割を補てんする。介護者の給与も国の負担だ。

「日本はリフト付き車いす用タクシーなどハード面はいいが、ソフト面が遅れているよね」プラス思考だが、リハビリに過大な期待はしていない。「次の目標は飛行機のトイレに自力で行くこと」。その先の夢はバサロペット再挑戦か。
(文中敬称略)


日本とスウェーデン。同じ地球上の国なのでしょうか?

この国(日本)を支配する官僚は、自分のこと、つまり出世して自分が老後をいかに楽に生きるか、ということのためだけに仕事をしているのです。省のためでも、国のためでも、もちろん国民のためであるはずもありません。明治の原初から、国民の窮迫など、いっこうに気にもかけないのです。
無責任、怠慢、いいかげん、でたらめ。官僚は自分のことしか考えないからです。責任を取るどころか、自分たちの不始末の責任を民間に押し付けて来るのがこの国の官僚なのです。自分たちの天下り先としてつくったかんぽの宿の失敗のつけを国民に回して知らぬふり。それが官僚の正体なのです。
こんな連中がぎゅうじっているから国がおかしくなる。あたりまえの話です。


*2009-02-13 「官僚はけっして省益のために働いているのではありません。」
*2009-02-10 「明治政府内部で唯一の偉人:後藤新平 – – – 現代にはいない偉人」
*2009-02-11 「現代日本官僚腐敗の源流は明治にあるのです。」
もご覧ください。

スウェーデン国王の写真はこちらです。
*2007/03/26 「スウェーデン国王王妃両陛下の日本国公式訪問 3月26日から29日まで」
スウェーデン王宮の写真はこちら。
*2007/04/30 「本日4月30日はスウェーデン国王カール16世グスタフ陛下の誕生日です。」

日本破壊 悪の系譜:薩摩藩→明治維新 ; 岩倉具視→明治政府→(長州藩)山県有朋→大日本帝国→昭和後期の官僚→(瞞着家,下村 治)→(小泉純一郎)→寄生虫集団:現代の官僚(悪の巣窟:霞が関)

毎月2日の 「明治維新とは何だったのか?140年めの真実。」  もご覧ください。(このページは、日本の官僚内閣制という非民主主義政治制度が、どのようにして生まれたか、なぜそれが悪なのか、を初めて解明した世界で唯一のページです。)

この腐敗国を変えられるのは、小沢一郎、田中真紀子。
それから、渡辺喜美

 The genealogy of Japanese evil destroying Japan : Satsuma-han — the Meiji Restoration ; Tomomi Iwakura — The Meiji government — ( Choshu-han ) —Aritomo Yamagata — Imperial Japan — Japan’s postwar bureaucrats — ( Tricker,Osamu Simomura ) — (Junichirou Koizumi) — Japanese Parasite Maffia (Bureaucrats of Japan today) (The nest of vice : Kasumigaseki)

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